生まれて初めてオンライン授業をしました。
毎年今頃、酪農学園大学へ自転車で行って新入生を相手に講義をしていました。今年はコロナでオンライン授業になりました。その講義の補助資料を「作文集」の中にアップしました。
先日「作文集」に足寄町の文芸誌『噴煙』の「中年の危機」文章をアップしました。その時に友人から「「中年の危機」ではなくて、「放牧の危機」でしょ」と突っ込まれました。「中年の危機」をアップしたちょうどその時、家畜飼養衛生管理の改正法案で「放牧禁止」(牛の場合は口蹄疫の時に)の項目があったからです。農水省のホームページに改正案が載っていて、それに対するパブリックコメントを募集していました。その締切日が6月11日でした。友人が「放牧禁止」にならないようにお前もパブリックコメントを書けと電話をしてこなければ、知らないうちに「放牧禁止」の法律ができていたかもしれません。6月13日には「放牧禁止」の項目はなくなりました。そこで友人の「放牧の危機」に応えて酪農学園大学のオンライン授業の補助資料を書き直してホームページにアップして、「人生」と「放牧」のバランスをとることにしました。
コロナ後の社会をどうデザインするのか?キーワードは脱炭素社会と地位経済循環だと思います。私たちは毎日朝昼晩ご飯を食べます。朝昼晩のご飯に何を食べるかを変えれば社会が変わると思います。何を食べるかが自分の身体の状態を決めて、社会の在り方も決めます。何を食べるかはスーパーマーケット・巨大種子農薬企業・国家に決められています。私たちが選ぶのは安いか高いかだけです。
私たち消費者はもっと、どこのものを食べたいのか、どういうものを食べたいのか、どのように流通してほしいのか、どのように包装・販売してほしいのか、訴えていく必要があります。消費者がもっと勉強をして農家にどのように作ってほしいのか、どのように家畜を飼ってほしいのか、訴える必要があります。酪農でいえば環境に負荷をかける舎飼いの大規模化のために税金を使って欲しくないとか。農家一戸当たりの頭数を減らして放牧を義務化してほしいとか。できるだけ国産の飼料を使ってほしいとか。
農家は国の補助金をもらっている国家公務員みたいなものです。どのような農業をしてほしいのか、納税者には発言する権利があります。消費者が参加して農業を変えることができる仕組みを作る必要があります。でも、今は国家が農家の知らないうちに「放牧禁止」の法律を作ろうとしていたわけですから、国家公務員である農家にも参加意識の全くない、お役人が上から押し付けた農業が現状です。これでは国家公務員もやる気をなくします。
関心のある方は同じくホームページの「作文集」の中の「私の農業」も読んでいただけると嬉しいです。