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道産飼料100パーセントの中止のお知らせ

2018年より、放牧期間に限って、道産飼料100パーセントでやってきましたが、この度、補助飼料として使っていた道産の子実コーンの使用をやめ、道産飼料100パーセントではなくなることをお知らせします。
2018年より5年間、放牧期間のみですが、道産飼料100パーセントでやってきました。道産飼料の中身は、9割は牛たちが自ら食べる放牧地の放牧草です。残りの1割は、補助飼料として1日2㎏、道産の子実コーン(ココーンの実の部分のこと)とビートパルプ(コ
トウダイコンの砂糖を取った後の搾りかす)を混ぜて搾乳パーラーで与えてきました。
搾乳パーラーで朝晩の一日2回の搾乳の最中に、飼料を与える主な理由は、牛たちが搾乳位置コプラットホームと言います)にスムーズに入るためです。牛たちにとって、放牧草が主食で、穀物が配合されている配合飼料と呼ばれる飼料は人間にとってはおやつのビスケッ
トのようなものです。そのために、パーラーで配合飼料を与えることによって、牛たちがプラットホームに喜んで入ってきてくれるので、搾乳時の牛の流れがスムーズになります。
子実コーンはトウモロコシの実を粉砕しただけなので、牛たちにとってあまりおいしくありません。そのためにプラットホームに入るのを嫌がる牛たちが1割程度います。牛たちが入らないために人は、ピット(コ搾乳をする人が立つ所、プラットホームよりも人間の腰の高
さ低くなっている)から出て牛を追わなければならなくなります。それが牛にとっても人にとっても大きなストレスになります。それを避けるために搾乳パーラーで補助飼料を与えます。
子実コーンをやめるその他の理由は、牛たちが子実コーンを食べ残したり、餌箱からこぼしたりして、子実コーンを無駄にすることです。この餌の無駄をなくすためです。
これらの理由で、子実コーンの使用を7月より中止することにします。
今後は、日本甜菜製糖株式会社の( ニッテン ベースペレット」という商品を放牧期間は使っていく予定です。この商品は、一言でいうとビートパルプの嗜好性を高めた飼料です。
国産のビートパルプが約70%程度使われ、そのほかに、国産のふすまコ小麦の糠)、海外産のとうもろこし、コーングルテンフィードコとうもろこしの外皮)などが入っています。
そもそも子実コーンの利用を始めた理由は、北海道子実コーン組合の組合長の柳原孝二さんを長沼町の農場にお訪ねしたことです。柳原さんのお話では、 トウモロコシの作付けは輪作の体系に必要で、良い土づくりに欠かせない作物である。しかし外国産の子実コーン
が日本に安価で輸入されるために作付けできなかった。それが飼料として販売をすると飼料作物として、国から補助金が出るようになったので、作付けができるようになった」、ということをお聞きして、北海道の畑作農家の応援をしたいと思ったからです。トウモロコシの作付けのメリットは土づくりの他に、 今すでに所有している大型収穫機械が子実コーンの収穫にも使えること。畑作農家は労働力不足で大規模化した畑を管理するには大型収穫機械が必要であり、トウモロコシの作付けは大規模化した今の畑作農家には必要な作物で
ある」とのことでした。
また、もう一つの理由は、新得町の共働学舎の代表の宮崎望さんから、 アメリカの農家は遺伝子組み換えをした種子と、除草剤をワンセットで購入をしなければならない仕組みになってしまい、農家は巨大薬品企業に利益を吸い上げられて経営が厳しい」と聞いて、遺
伝子組み換えでない飼料を使いたいと考えたことです。
実際に子実コーンを使い始めて学んだことは、北海道内の農家同士でお金が回るので、東京や外国に北海道のお金を持っていかれないことです。外国から穀物飼料を買ってくるのではなくて、道内でお金を循環するようにすれば、北海道の農家はもっと豊かになるのではな
いかと気が付きました。
この5年間で、微力ながら北海道の子実コーンの応援ができたのではないかと思います。
現在は道内の子実コーンの需要が全国的に高まって、子実コーンの生産が足りない状態になったそうです。
これからも、放牧酪農を普及することによって、飼料の自給率を高めて、地域内経済循環をこころがけて、北海道の農家、世界の農家が豊かになるようにすること、また放牧酪農を普及することによって、牛を長生きさせることや、物流の距離や、機械の使用を最小限にし
て、地球温暖化ガスを減らすために努力していきたいと思います。
今後ともありがとう牧場の乳製品をよろしくお願い申し上げます。

ありがとう牧場

吉川友二

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